【キツツキの家 WPCASA】
【シャベルのヒーローたち、もう一つの英雄譚】
【キツツキの家 WPCASA――夢を育むレストランと、災後に咲いた温もりの力】
花蓮市から台東へ向かう途中、光復や鳳林あたりでよく立ち寄るのが「キツツキの家 WPCASA」。
料理が美味しいのはもちろん、光復糖廠（シュガーファクトリー）の敷地にあるロケーションが本当に美しいのです。
ここ数週間、彼らの「愛の実践」を目にし、
9月23日の災害後に見せた再建の物語と、その温かな力を記録したいと思いました。
🌿 キツツキの家 WPCASA――夢を育むレストランと災後再建の温もり
光復糖廠のすぐそばにある「キツツキの家 WPCASA」は、花蓮・光復の温かい憩いの場です。その始まりは公益活動から。土地・食材・若者の夢・地域の力――すべてがここに集います。
このレストランは「キツツキ全人発展協会」が設立し、地方の若者に就労の機会を与えるために始まりました。
子どもたちはここで料理、接客、責任感を学び、自信と成長を得ています。
事務局長の彭伯華氏はこう語ります。「若者に、正しいことを実行し、夢を追うための舞台をつくりたい。」
初期の頃、協会はボランティアの母親たち、譲り受けたテーブルやパソコン、小口寄付の支援で少しずつ拠点を拡大。
事務所、中古ショップ、倉庫、レストランを整え――まさに「ゼロから夢を形にした物語」でした。
2019年、彭氏は息子の鄭睦懷さん（当時22歳）にシェフとしてレストランを託しました。
最初は苦労の連続でしたが、彼は「土地と料理をつなげたい」と決意。
鶴岡の文旦、鳳林のピーナッツ、長濱の白エビ、そして香るマコウ（山胡椒）。
ひと皿ひと皿に花東の風土が息づき、地元の食材を旅するような料理を丁寧に作り上げていきました。
鄭さんは高級レストラン経験を持つ2人の仲間とタッグを組み、三人三様の個性で、創業期からパンデミックを乗り越えました。
そしてこのレストランを、温かさと洗練が共存する空間へと育て上げました。
ここはただの食事処ではなく、土地と人、伝統と革新が交わる場所です。
しかし2025年9月、馬太鞍堰塞湖の決壊により光復地区が大きな被害を受け、「キツツキの家 WPCASA」も営業停止に。
停電のため連絡も取れず、9月24日～30日の予約客にはキャンセルをお願いするしかありませんでした。
そんな中、厨房がまだ使えるうちに立ち上がったのが「キツツキ義煮団」。
手元の食材を使って愛の弁当を調理し、救援隊や避難者へ配布しました。
低温ローストのスペアリブ、プライム牛小排、春雨炒め、ゆで卵――食べやすさにも気を配ったメニュー。
弁当を受け取ったおじいさんが震える手でボランティアの手を握り、「ありがとう」と言った瞬間、すべての疲れが温もりに変わりました。
復旧作業では、毎日早朝から夕暮れまで、泥まみれの清掃、家具の運搬、泥の掘り出しが続きました。
全国から集まったボランティアたちが加勢し、作業は倍速で進行。「床が見えた！」――それが光復の人々の歓声。
誰もが「自分たちの故郷は自分たちで救う」ことの意味を体で感じた日々でした。
義煮活動は12日間にわたり、延べ100人以上が参加。
食材を扱うシェフ、弁当を詰める手伝い、配送を担うドライバー――すべてが光復のヒーローでした。
レストランは寄付金の受け取りを断り、「ぜひ再開後に食べに来てください。それが一番の応援です」と呼びかけました。
また、レストランは馬太鞍教会の炊き出し所設立も支援し、被災者への食事提供を分担。
現地で今も必要とされる物資は、セメント運搬車、シャベル、長靴、タオル、ゴミ袋、重機や人手など。
もし提供できる物資があれば、ぜひ現地への直接支援やボランティア参加をお願いします。
この災害を通じて、「キツツキの家 WPCASA」が示したのは、料理の力だけではありません。
それは土地と人を結ぶ絆、若者の夢を育む場、そして故郷を守る深い愛でした。
最新情報：「キツツキの家 WPCASA」は10月19日に正式再オープン。
一部スタッフはまだ自宅の片付け中のため、予約は段階的に再開。
これからも美味しい料理を届け、この土地を守りながら光復の人々とともに歩み続けます。
花蓮・光復へ来たら、ぜひ食事を。
「キツツキの家 WPCASA」で、心と身体をあたためてください。
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光復がんばれ
天の加護が光復にありますように
私たちは皆、光復の仲間です
