北辰妙見菩薩 × 玄天上帝(げんてんじょうてい)
【北辰妙見菩薩 × 玄天上帝(げんてんじょうてい)】——台湾の「金殿」に連なる信仰の継承、武当山・金頂から石空・接天廟へ 台湾と閩地では、玄天上帝を奉じる信仰は最も盛んな道教の主流の一つです。「玉虚師相・玄天上帝・金闕の化身・蕩魔天尊」と尊称され、北方の水徳を司る真神として、鎮邪伏魔の護国の尊神とされています。 しかし仏教典籍において、玄天上帝にはもう一つの化身——【北辰妙見菩薩】があります。「妙見」とはすなわち「妙なる眼」、世のあらゆる善悪諸法を洞察し、万法実相を了知すること。慈悲と智慧の徳を具えます。妙見菩薩は観世音菩薩の垂跡の化身であり、薬師瑠璃光如来の勅により南閻浮提の衆生を済度すると伝えられます。 古籍には次のように記されます。「太陰化生、水位の精。虚危に上応し、亀蛇合形し、六合を周行して万霊を威懾す。」玄天上帝は北方の水徳を掌り、治水・鎮火に通じ、厄を吉に転ずる力をもつ、災いを避け寿命を延ばす守護の天尊と崇められています。 🌕【武当山・金殿:鍍金の頂、真武祖師が鎮まる】 玄天上帝信仰の発祥の聖地こそ、天下に名高い【武当山・金殿】、すなわち「金頂」です。湖北省・武当山の天柱峰、標高1612メートルの頂上に鎮座します。 金殿は明の永楽14年(1416年)、明成祖・朱棣の勅により、真武祖師を奉安するために鋳造されました。殿宇全体が青銅製で鍍金が施され、高さ5.54メートル、幅4.4メートル。構造は厳密で、榫卯の継ぎ目も見えない精緻さです。 殿内には鍍金の銅像「真武祖師」を奉り、重量は十数トン。左右には金童玉女と水火二将が侍立し、彫技は細やかで人物は生き生きと表現されています。殿上には康熙帝の御筆による「金光妙相」の扁額が掲げられ、光輝は千秋に及びます。 金殿は重檐廡殿式の屋根をいただき、古建築における最高等級を象徴します。西に座し東を向くのは、日を敬い光明を祈る意を表します。古来、武当山の金頂は真武大帝信仰の核心聖域として、「国の至宝、道の頂き」と称えられてきました。 🏯【台湾の金殿 × 石空・接天廟】 ——太和山の古道から紡がれた信仰の道...
